通信制高校からの大学進学:進学率と学校の選び方、受験に向けた準備・対策方法

高校を卒業すると、大学に進学する人は多いです。もちろん高校を卒業したあとに就職する人や専門学校へ行く人もいますが、大学進学はメインの進路になっています。

通信制高校への入学を考えるとき、大学進学ができるのか気になることは多いもの。

通信制高校はやはり普通の高校(全日制)に比べると大学進学率が下がるものの、チャンスは十分あります。学校選びに気をつけてコツコツ勉強していけば、行ける大学はたくさんあるため、安心してほしいと思います。

ここでは「通信制高校からの大学進学」について解説します。

なお、通信制高校やサポート校は、しっかり選びたいもの。入学するとなかなか変えられないため、まずは資料や案内パンフレットをチェックしてみるのがおすすめです。「ズバット通信制高校比較」なら人気の通信制高校や気になる学校の資料をまとめて取り寄せられて、手間が省けます。無料なので、ぜひ使ってみてください。

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通信制高校からの大学進学率は20%ほど。普通の高校(全日制)に比べると低い

【高校からの大学進学率(平成30年度・文部科学省より)】

高校 大学への進学率
全日制高校 55.5%
通信制高校 18.0%

国の文部科学省によると、平成30年度における普通の高校(全日制高校)・通信制高校からの大学進学率は、上のようになっています。

全日制高校は55.5%、通信制高校は18.0%となっていて、通信制の大学進学率は全日制の約3分の1。かなり少なくなることがわかります。

この数字だけ見ると、「やばい、通信制高校に行ったら、大学進学なんて無理じゃん・・」と思うかもしれません。

ただ、通信制高校に行く人はさまざま。そもそも大学進学を考えていない人もいますし、通信制高校も生徒さんのやりたいことを応援・サポートしてくれるため、受験に向けた勉強をあまりしないこともあります。大学への進学率が低くなるのはこのためです。

一方で全日制高校は好き嫌いに関係なく、英語・数学・国語・理科・社会の5教科をしっかり勉強することが多いです。そのため大学に行く人が多くなるのは、当然といえば当然です。

要するに通信制高校でも、「大学に進学したい」という気持ちがあれば大丈夫。希望の大学に合格することはできるため、数字だけにとらわれないようにしましょう。

通信制高校からの大学進学率が低い理由

通信制高校の大学進学率が低いことを理解したら、その原因・理由も知っておくと良いです。

原因がわかれば対策もしやすくなり、通信制高校からどうすれば大学に行けるのかハッキリします。

通信制高校の大学進学率が低くなる理由は、大きく次の3つです。

  • 全日制高校に比べると授業に強制力がなく、受験に必要な勉強をしにくい
  • 自由な時間が多く、一緒に勉強を頑張る人が少ないため、自分で勉強しないと進まない
  • 基本的な高校内容の学習は通信制高校でできるが、本格的な受験対策は難しい

全日制高校に比べると授業に強制力がなく、受験に必要な勉強をしにくい

通信制高校は全日制高校のように英語や数学の勉強もしますが、基本的には自分のペースで進めます。

宿題のかわりに課題のレポートもありますが、内容はやさしめ。定期テストもありません。

これは良く言えば「無理なく学べる」ということですが、「受験に必要な学力が身につきにくい」ということでもあります。

全日制高校では宿題が毎週のように出て、定期テストもあります。そのため嫌でも勉強しないと、進級できません。

強制力がないのは、通信制高校の良いところでもありますがデメリットでもあります。

自由な時間が多く、一緒に勉強を頑張る人が少ないため、自分で勉強しないと進まない

通信制高校は自由な時間が多いため、「やりたいことをしながら、勉強もできるな」と考える人は多いです。

ただ、「夏休みなどに、ついダラダラ過ごしてしまった・・」という経験がある人も多いもの。自由な時間が多いと、逆に何もせず過ごしてしまうことがよくあります・・。

通信制高校は基本的に自宅で学ぶため、一緒に勉強を頑張る人が少ないです。学校へ登校するスクーリングがあるとはいえ、多くても週に2〜3日、多くの場合は年に10日もないくらいの日数。

つまり通信制高校の場合、自分で勉強を進める必要があります。これは思っている以上に大変で、自分の意思で勉強を継続するのはなかなか難しいです。途中で「まあいいか」となってしまう人もいて、これが大学進学率の低下につながっています。

基本的な高校内容の学習は通信制高校でできるが、本格的な受験対策は難しい

通信制高校で学べる内容は、高校の基礎。本格的な受験対策の学習をするのは難しいです。

全日制高校だと先生が大学受験のことを考えて、少し難しめの問題も課題などで出してくれます。通信制高校は不登校などの生徒さんに配慮して、あまり厳しく勉強を強制しません。通信制高校は「全日制高校に通えない人のための学校」という位置づけのため、学習内容はどうしても基礎が中心になります。

大学進学を考えるなら、大学受験に強い通信制高校を選ぶべき!3つのポイント

以上のような3つの理由から、通信制高校の大学進学率は全体で見ると低くなっています。

ただ、通信制高校は学校によって特徴が違い、大学進学に力を入れているところもあります。高校卒業後は大学に行こうと思っているなら、次の3点をチェックして通信制高校を選ぶと良いです。

  • 大学進学率を公式サイトに出していて、50%以上はある
  • 指定校推薦の枠が多い通信制高校を選ぶ
  • 高校内容の学習カリキュラムや、大学受験対策コースが整っている

ちなみに生徒さんが進学した大学を合格実績として出している通信制高校は多いですが、「何年度に、何人合格したか」を出している学校はほとんどありません。そのためここでは、大学の合格実績を通信制高校選びの基準から除いています。

大学進学率を公式サイトに出していて、数字が50%以上ある

大学に行く人が多い通信制高校は、公式サイトに「大学進学率」をメリットとして掲載しています。

目安として、大学進学率を出していて、その数字が50%以上あれば、「大学に進学できるチャンスが十分ある通信制高校」と言って良いです。

逆に大学進学率を目立つところに載せていない通信制高校は、生徒さんのやりたいことを尊重したり、相談・サポートなどに力を入れていたりと、重点を置くところが違います。「大学進学率を掲載していない学校=悪い学校」というわけではありません。

「指定校推薦の枠」が多い通信制高校を選ぶ

大学進学に強い通信制高校は、指定校推薦の枠をたくさん確保していることも多いです。

指定校推薦とは、大学が高校を指定して「良い生徒さんを紹介してください」とお願いする推薦入試。指定校推薦で入試を受けると合格しやすく、大学に行ける可能性が大きくアップします(もちろん準備・対策は必要)。

指定校推薦枠は全日制高校だけでなく、通信制高校でもあります。公式サイトで「指定校推薦の枠が多いです」と打ち出している通信制高校を候補として考えると良いです。

高校内容の学習カリキュラムや、大学受験対策コースが整っている

通信制高校によっては大学進学を考える生徒さん向けに、「大学受験コース」「小論文対策コース」「難関大学対策コース」のようなカリキュラムやコースを用意していることがあります。

こうした本格的なコースがある通信制高校は、「大学受験に力を入れている=大学に行ける可能性が高い」といえます。

通信制高校とは別に、大学受験に向けた学習環境を整えるのもおすすめ

大学進学に強い通信制高校を選んでも、まだ考えておくべきことはあります。

通信制の場合、1人で勉強を進めるのは大変なため、必要に応じて学習環境を整えることも大切。もちろん費用は別でかかってしまいますが、予算に合わせて利用できるため、考えてみるのもおすすめです。

大学受験に向けた勉強は、大きく下の4つの方法で取り組むことができます(カッコ内は、だいたいの費用目安)。

  • 独学(月3〜5千円)
  • 学習塾・予備校の利用(学習塾:月2〜3万円、予備校:月3〜5万円)
  • 家庭教師の利用(月2〜5万円)
  • サポート校の利用(月4〜10万円)

独学でも大学受験対策はできるが、かなり意思が強い人でないと難しい

参考書や問題集を購入しての独学は、かなり難しいです。最近の教材は質の良いものが多いものの、自分で理解しながら解き進めるのは大変なもの。相当に強い意思がないと続かないため、あまりおすすめしません。

ただ、勉強習慣がある程度あって「自分は独学向き」と感じているなら、通信制高校+独学でも大学受験はクリアできます。参考書や問題集は何冊か買っても費用が安いのは大きなメリットです。

学習塾・予備校と通信制高校の併用は、費用はかかるものの効果的

通信制高校+学習塾または予備校は、利用する人がまずまず多いです。

学習塾や予備校は大学受験に向けた対策をしっかりしてくれるため、通信制高校だけでは不安なときに便利。予備校のほうが費用は高いものの受験に向けた本格的な勉強ができ、学習塾はお値打ちな費用で基礎だけでなく少しレベルの高い内容まで身につけられます。

学習塾や予備校は、ほかの塾生さんも勉強する教室へ通うことになります。そのため人付き合いが苦手というより、「クラスや部活の人と合わなかった」「先生が合わなかった」という場合に向いています。

ペースを合わせて集中的に教えてもらうなら、家庭教師も良い

人と接するのが苦手な場合や「基本からじっくり教えてほしい」という場合、家庭教師も良い勉強方法。1対1で教えてもらえるため効果が高く、どんな先生が良いか希望を出すこともできます。

家庭教師の費用は予備校と同じくらいか、学習塾より少し高いくらい。学習塾・予備校と家庭教師は人によって向き不向きがあるため、どちらが合いそうかは家庭で相談して決めると良いです。

(参考)「通信制高校+家庭教師」での勉強は、大学進学を考えるならおすすめ

受験に向けた勉強に加えて学生生活も大切にするなら、サポート校の併用を

通信制高校に入学する人の中には、「サポート校」を利用する人もいます。

サポート校とは、通信制高校での勉強をサポートしてくれる塾のような存在。あくまでも「サポート的な役割」のため高校卒業資格は取れませんが、高校のような学生生活をすることができます。

大学受験指導に力を入れているサポート校は、受験対策をしっかりしつつ、文化祭やスポーツイベントなどの企画が定期的に開催されます。もちろんスタッフによる進路相談や困ったときのアドバイスなどもあるため、1人になりがちな通信制高校の生活が充実します。

ただしサポート校は勉強に加えて学生生活のサポートもしてくれるため、費用は高め。内容は学校によって違うため、予算と合わせて納得のいく学校を利用しましょう。

(参考)大学進学におすすめのサポート校:通信制高校と併用するメリット・デメリット

通信制高校でも環境を整えて必要な勉強をすれば、大学進学は十分できる!

通信制高校は全日制高校に比べると大学進学率が低く見えるものの、「大学に行きたい」という気持ちがあれば大丈夫。通信制高校選びや合わせて利用する塾や家庭教師を考える必要はありますが、「通信制高校に入ったら、大学への道は閉ざされる」ということはありません。

通信制高校の自由な時間は気をつけないとダラダラする原因になりますが、有効活用すればドンドン勉強することもできます。これからの目標をしっかり見据えて、勉強も遊びも頑張ってほしいと思います。

なお、通信制高校やサポート校は、しっかり選びたいもの。入学するとなかなか変えられないため、まずは資料や案内パンフレットをチェックしてみるのがおすすめです。

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