通信制高校の中でも人気の「N高等学校・S高等学校(N高・S高)」。ニコニコ動画などの人気サービスを提供するIT企業のドワンゴと出版社のKADOKAWAが共同で設立した学校で、整った体制で本格的なプログラミング・IT技術を学べます。数学や英語などの勉強ももちろんでき、自分のペースで進められます。
ただ、N高・S高を考えるときに気になるのが、学費。N高とS高はコースがたくさんあり、学費も複雑なので「いくらなのかわからない」ということは多いもの。
そこでここでは、「N高・S高の学費」を解説します。入学を考えるときの参考にしてほしいと思います。
ちなみにN高とS高は本校の場所が違うだけで、カリキュラムや学費は同じです。
N高・S高の学費は、コースによって変わる。コースは4種類
N高・S高には大きく4つのコースがあり、それぞれで学費は変わります。まずはコースの種類と、だいたいの学費目安を知っておきましょう。
【N高・S高のコースと、年間学費の目安】
※一般的な就学支援金(年収590万円以上〜910万円未満)を適用しての合計金額
- ネットコース(普通科)スタンダード:年間13万円ほど、プレミアム:年間25万円ほど
映像授業で学習するコース。スタンダードは映像授業のみ。プレミアムは映像授業+VRなどを使った新しい学習スタイル。 - オンライン通学コース:年間45〜70万円ほど
ネットコースの授業に加えて、ネット上のクラスに参加(=オンライン通学)して学ぶコース。クラスへの参加は週1日の「ライト」と週3日の「ベーシック」があり、ネットコースをスタンダードとプレミアムどちらにするかで金額が変わる。 - 通学コース:年間50〜110万円ほど
ネットコースの授業に加えて、通学で学習。通学日数とネットコースをスタンダードとプレミアムどちらにするかで金額が変わる。 - 通学プログラミングコース:年間150万円または160万円ほど
ネットコースの授業に加えて、東京の代々木または大阪の梅田のキャンパスに週5日登校して学ぶコース。ネットコースをスタンダードとプレミアムどちらにするかで金額が変わる。
ネットコースが基本の学習。ほかのコースでは、ネットコースの料金に追加費用がかかる仕組み
N高・S高は1番お値打ちな「ネットコース(普通科)」で勉強するなら、学費は年間13万円ほど。他3つの「オンライン通学コース」「通学コース」「通学プログラミングコース」で入学する場合、ネットコースの学費に追加でこれら3コースの料金がかかります。
ちなみに通信制高校は普通の高校(全日制)と同じように公立と私立があり、公立は年間3〜5万円、私立は年間10〜20万円ほどが相場です。また、全日制の私立高校は、年間50〜100万円ほどが目安。
N高・S高の学費はネットコースなら通信制高校の平均くらいですが、ほかのコースによってはかなり高いです。ただ、全日制の私立高校も高い場合はあり、こうした学校と比べれば同じくらいといえます。
N高・S高は、「就学支援金」という国の制度で授業料が割引きに!必ず申請を(N高・S高から案内あり)
N高・S高は通信制高校で、就学支援金という国の制度を利用できます。これは「親御さんの年収によって、授業料が割引きされる」という、国の制度です。
割引き額は親御さんの世帯年収(両親の合計年収)によって変わり、下のようになっています。
【就学支援金による授業料の割引き】
親御さんの年収 | 就学支援金の支給額(割引き額) |
---|---|
年収590万円未満 | 1単位:12,030 円 (例)25単位:300,750円 |
年収590万円以上〜910万円未満 | 1単位:4,812円 (例)25単位:120,300円 |
年収910万円以上 | 0円 |
通信制高校は卒業までに74単位を取る必要があり、1年に25単位ほど取るのが基本。たとえば1単位1万円の通信制高校なら、25単位の授業料は25万円になります。
ここに就学支援金の割引きが入り、
- 年収590万円未満 → 授業料25万円ー割引き300,750円=0円!
- 年収590万円以上〜910万円未満 → 授業料25万円ー割引き120,300円=129,700円
- 年収910万円以上 → 授業料25万円(割引きなし)
となります。
ちなみに就学支援金は「授業料」のみが割引きの対象で、入学金・設備費・教材費などは対象外。つまり、学費がゼロ円になるわけではありません。
また、就学支援金は国から支給されるため、割引き額のことを「支給額」と呼ぶことがあります。わかりにくいですが、こちらも合わせて覚えておきましょう。
N高・S高の、各コースの年間学費
ここからは上で紹介した4コースの年間学費を解説します。
ネットコース(普通科)の年間学費
まずは基本のネットコースから。ネットコースは映像授業をタブレットやスマホ、PC(パソコン)で学ぶ「スタンダード」と、映像授業に加えてVRなどの新しい技術を使って学ぶ「プレミアム」があります。スタンダードでも質の高い学習はできますが、よりN高・S高ならではの勉強をするなら、プレミアムもおすすめです。
【普通科スタンダードの学費】
内訳 | 1年間の学費 |
---|---|
入学検定料 (入学時のみ) |
5,000円 |
入学金 (入学時のみ) |
10,000円 |
授業料 | 7,200円×25単位 =180,000円 |
就学支援金による 授業料の割引き (25単位として) |
年収590万円未満 ー300,750円(授業料無料) 年収590万円以上〜910万円未満 ー120,300円 年収910万円以上 なし |
施設設備費 | 年間50,000円 |
教育関連諸費 | 年間13,000円 |
合計 | 年収590万円未満 年間78,000円 年収590万円以上〜910万円未満 年間137,700円 年収910万円以上 年間258,000円 |
【普通科プレミアムの学費】
内訳 | 1年間の学費 |
---|---|
入学検定料 (入学時のみ) |
5,000円 |
入学金 (入学時のみ) |
10,000円 |
授業料 | 12,000円×25単位 =300,000円 |
就学支援金による 授業料の割引き (25単位として) |
年収590万円未満 ー300,750円(授業料無料) 年収590万円以上〜910万円未満 ー120,300円 年収910万円以上 なし |
施設設備費 | 年間50,000円 |
教育関連諸費 | 年間13,000円 |
合計 | 年収590万円未満 年間78,000円 年収590万円以上〜910万円未満 年間257,700円 年収910万円以上 年間378,000円 |
オンライン通学コースの年間学費
ネット上のクラスに参加して学べるオンライン通学コース。クラスに週1日のペースで参加する「ライト」と、週3日参加の「ベーシック」があります。
オンライン通学コースの学費は「ネットコース」の料金に追加費用がかかり、下のようになっています。
内訳 | 1年間の学費 |
---|---|
出願手数料 (出願時のみ) |
5,000円 |
入学金 (入学時のみ) |
22,000円 |
セキュリティソフト代 (初年度のみ) |
5,000円 |
ネットコース 授業料 |
スタンダード 7,200円×25単位 =180,000円 プレミアム 12,000円×25単位 =300,000円 |
就学支援金による 授業料の割引き (25単位として) |
年収590万円未満 ー300,750円(授業料無料) 年収590万円以上〜910万円未満 ー120,300円 年収910万円以上 なし |
施設設備費 | 年間50,000円 |
教育関連諸費 | 年間13,000円 |
オンライン通学コース 授業料 |
ライト(週1日) 年間300,000円 ベーシック(週3日) 年間456,000円 |
(コースの組み合わせによる年間学費)
ネットコース スタンダード(映像授業) |
ネットコース プレミアム(映像+VR) |
|
---|---|---|
オンライン通学コース ライト(週1日) |
年収590万円未満 274,250円 年収590万円以上〜910万円未満 454,700円 年収910万円以上 575,000円 |
年収590万円未満 394,250円 年収590万円以上〜910万円未満 574,700円 年収910万円以上 695,000円 |
オンライン通学コース ベーシック(週3日) |
年収590万円未満 430,250円 年収590万円以上〜910万円未満 610,700円 年収910万円以上 731,000円 |
年収590万円未満 550,250円 年収590万円以上〜910万円未満 730,700円 年収910万円以上 851,000円 |
通学コースの年間学費
全国にあるN高・S高のキャンパスへ通学して学ぶ通学コース。通学日数は週1日・週3日・週5日から選べて、それぞれで学費が変わります。また、「ネットコース(普通科)」の学費に追加費用がかかる形になります。
内訳 | 1年間の学費 |
---|---|
受験料 (出願時のみ) |
10,000円 |
入学金 (入学時のみ) |
110,000円 |
セキュリティソフト代 (初年度のみ) |
5,000円 |
ネットコース 授業料 |
スタンダード 7,200円×25単位 =180,000円 プレミアム 12,000円×25単位 =300,000円 |
就学支援金による 授業料の割引き (25単位として) |
年収590万円未満 ー300,750円 年収590万円以上〜910万円未満 ー120,300円 年収910万円以上 なし |
施設設備費 (ネットコース) |
年間50,000円 |
教育関連諸費 (ネットコース) |
年間13,000円 |
施設設備費 (通学コース) |
週1日 年間110,000円 週3日 年間175,000円 週5日 年間240,000円 |
通学コース 授業料 |
週1日 年間280,000円 週3日 年間440,000円 週5日 年間600,000円 |
(コースの組み合わせによる年間学費)
ネットコース スタンダード(映像授業) |
ネットコース プレミアム(映像+VR) |
|
---|---|---|
通学コース 週1日 |
年収590万円未満 578,000円 年収590万円以上〜910万円未満 637,700円 年収910万円以上 758,000円 |
年収590万円未満 578,000円 年収590万円以上〜910万円未満 757,700円 年収910万円以上 878,000円 |
通学コース 週3日 |
年収590万円未満 803,000円 年収590万円以上〜910万円未満 862,700円 年収910万円以上 983,000円 |
年収590万円未満 803,000円 年収590万円以上〜910万円未満 982,700円 年収910万円以上 1,103,000円 |
通学コース 週5日 |
年収590万円未満 1,028,000円 年収590万円以上〜910万円未満 1,087,700円 年収910万円以上 1,208,000円 |
年収590万円未満 1,028,000円 年収590万円以上〜910万円未満 1,207,700円 年収910万円以上 1,328,000円 |
通学プログラミングコースの年間学費
東京の代々木または大阪の梅田にあるキャンパスへ登校し、本格的なプログラミングを学ぶ通学プログラミングコース。N高・S高の中でも1番学費が高いものの、高校生から最先端のITを学ぶには最適な環境です。「ネットコース(普通科)」の学費に追加費用がかかる形になります。
内訳 | 1年間の学費 |
---|---|
受験料 (出願時のみ) |
10,000円 |
入学金 (入学時のみ) |
110,000円 |
セキュリティソフト代 (初年度のみ) |
5,000円 |
ネットコース 授業料 |
スタンダード 7,200円×25単位 =180,000円 プレミアム 12,000円×25単位 =300,000円 |
就学支援金による 授業料の割引き (25単位として) |
年収590万円未満 ー300,750円 年収590万円以上〜910万円未満 ー120,300円 年収910万円以上 なし |
施設設備費 (ネットコース) |
年間50,000円 |
教育関連諸費 (ネットコース) |
年間13,000円 |
施設設備費 (通学プログラミングコース) |
年間341,000円 |
通学プログラミングコース 授業料 |
年間902,000円 |
(コースの組み合わせによる年間学費)
ネットコース スタンダード(映像授業) |
ネットコース プレミアム(映像+VR) |
|
---|---|---|
通学プログラミング コース |
年収590万円未満 1,431,000円 年収590万円以上〜910万円未満 1,490,700円 年収910万円以上 1,611,000円 |
年収590万円未満 1,431,000円 年収590万円以上〜910万円未満 1,610,700円 年収910万円以上 1,731,000円 |
N高・S高は予算に合わせて、さまざまな学び方ができる!
たくさんある通信制高校の中でも人気のN高・S高。コースも幅広く用意されていて、ネットコースなら学費はお値打ち、さらにオンライン通学コース、通学コース、通学プログラミングコースと、希望に合わせて選べます。
もちろんカリキュラムが充実するほど学費は上がりますが、N高・S高は体制・環境が整っていておすすめ。「おもしろそう」と感じたら、案内パンフレットを見てみたり実際に話を聞きに行ったりして、ぜひ考えてみてください。