通信制高校に入学する人は、「サポート校」を利用する人も多いです。サポート校は通信制高校のように高校ではなく、「通信制高校での勉強をサポートしてもらえる学校」です。
通信制高校と併用することで、勉強や学生生活が充実するため、利用を考えてみるのもオススメです。
ここでは、通信制高校のサポート校について解説します。
サポート校とは、「通信制高校の塾」のイメージ。通信制高校との1番大きな違いは、「高卒資格を取れるかどうか」
通信制高校とサポート校の違いをまとめると、下のようになります。
通信制高校 | サポート校 | |
---|---|---|
高卒資格 | ◯ (取れる) |
✕ (取れない) |
運営 | 公立・私立 | 民間の教育機関 |
1年間の 学費目安 |
公立:3万円 私立:10〜20万円 |
30〜100万円 |
勉強内容 | 基礎が中心 | 基礎〜大学受験 |
授業形式 | 自宅・教室 | 自宅・個別指導 |
学生生活 | △ | ◯ |
上の中で1番大きな違いは、「高卒資格を取れるかどうか」という点。通信制高校は高卒資格を取ることができるのに対し、サポート校はあくまでも通信制高校の塾のような存在で、高卒資格を取ることはできません。
また、通信制高校は普通の高校と同じように、公立と私立に分かれています。
公立の通信制高校は都道府県や市町村などが運営していて、私立の通信制高校は主に学校法人が運営しています。
これに対してサポート校は、主に民間企業が運営。たとえば家庭教師で知られているトライや学研、大学受験の予備校を運営している河合塾など、教育系の企業が運営しています。
また、サポート校は通信制高校での勉強をサポートしてもらう理由で利用するため、単独で入学することはありません。あくまでも通信制高校と併用する形で入学します。
サポート校には提携の通信制高校がある。入りたい通信制高校かサポート校があれば、もう一方も決まる
通信制高校もサポート校も、全国にたくさんあります。サポート校は全国の通信制高校の生徒さんをサポートしているわけではなく、提携の学校が決まっています。
例として、大学への進学率が高くて人気の「トライ式高等学院」というサポート校は、5つの通信制高校と提携しています。具体的には、鹿島学園高校・鹿島朝日高校・日本航空高校・ルネサンス高校の5つで、もしトライ式高等学院で勉強したいと思ったら、これら5つの通信制高校から入学する学校を選ぶことになります。
逆に通信制高校を先に選び、提携のサポート校に入学する例もあります。
そのため通信制高校・サポート校関係なく、まずは「ここで勉強したい」という学校を探すと良いです。少しでも興味の湧いた学校は資料や案内パンフレットを取り寄せて、情報収集をしながら気になる学校を見つけてみましょう。
サポート校は必要?意味ある?通信制高校と併用するメリット
サポート校は通信制高校と併用するため、通信制高校の学費とサポート校の学費、両方が必要。そのため、「サポート校って本当に必要かな。費用だけのメリットってあるのかな」と、気になることもあると思います。
通信制高校の学費は、公立なら年間3万円ほど、私立でも10~20万円ほど。
これに対してサポート校は、年間30~100万円ほどの学費がかかります。勉強する科目や授業時間を増やすほど学費が高くなるため、通信制高校と併用するとかなりの額になります。
ただ、サポート校は費用の分だけさまざまなメリットがあるのも事実。どんな形でサポートしてもらえるのかを知った上で、利用するか考えてみてください。
通信制高校での勉強・課題を、先生が教えてくれる。授業も個別指導や訪問指導で、よりきめ細かい
通信制高校では、映像授業やレポート課題をこなして勉強するのが基本。基本的には自分で進める必要があり、ときどきあるスクーリング(校舎への登校)で、わからないことなどを質問します。
ただ、通信制高校での学習は、ほとんどが自主学習。自己管理は難しく、1人で勉強を進められない人は多いです。
サポート校を利用する場合、通信制高校での勉強を、先生が説明してくれます。そのため自分だけで進めるよりもスムーズに学習でき、身につく度合いも高くなります。
さらにサポート校での授業は、個別指導や訪問指導が中心。全日制の学校で行われるような集団形式ではなく、1対1で教えてもらえます。そのためわからないこともきめ細かくフォローしてもらうことができ、安心して勉強できます。
大学進学を考える場合、受験に向けた勉強をしっかりできる
通信制高校で学ぶ内容は、全日制よりやさしい場合が多いです。自分だけで応用的な内容を理解するのは難しいため、基本を中心に学習することになります。
ただ、高校を卒業した後に大学へ進学したい場合、通信制高校での学習だけでは内容が足りません。大学受験に向けた対策学習が必要で、この場合もサポート校の授業が役立ちます。
サポート校では通信制高校での勉強に加え、大学進学に向けた指導もしてもらうことができます。また、全日制の高校とは違い、保険や体育、音楽などの授業がないため、大学受験に必要な勉強だけに集中できます。そのため効率が良く、空いた時間は自分のやりたいことやアルバイト、休憩など、自由に使うことができます。
キャンパスへ通うことで友達ができ、文化祭やスポーツ企画などで学生生活が充実する
サポート校は全国に「キャンパス」と呼ばれる校舎があり、家から近いキャンパスへ通うことになります。キャンパスには同じく通信制高校で勉強する人がいて、ホームルームや文化祭などのイベントを通して、友達になれる機会があります。
サポート校での授業は毎日あるわけではなく、週に3コマや4コマのような形で受けます。それ以外の時間はキャンパスへ行っても行かなくてもよく、クラス分けなどもありません。かなり自由度が高く、友達とも自分のペースで付き合うことができます。
また、通信制高校でのイベントや企画は限られますが、サポート校では定期的にさまざまなイベントがあります。そのため学生生活が充実し、全日制の高校と似た生活を送ることができます。
通信制高校は自宅で勉強できるのが大きなメリットですが、やはり今後の人生を考えると人間関係は大切。サポート校ならスタッフが場を作ってくれて、相談などにも乗ってくれます。
ファッション・美容・アート・プログラミングなど、やりたいことを学べる
サポート校では、全日制の高校で勉強できない内容を学べるのもメリット。学べることはサポート校によって違いますが、ファッション・美容・アート・プログラミング・漫画・ゲームなど、多くの人が興味のあることを深く勉強することができます。
こうしたことがきっかけで、プロとして活躍するようになる人もいます。
ただしこうしたコースは、追加の費用がかかるのが一般的。コースによっては年間100万円を超えることもあるため、興味がわいたらまずは相談してみるのが良いでしょう。
サポート校のデメリットは、「費用が追加でかかる」ということ。年間の目安は30〜100万円
ここまで紹介したように、サポート校にはさまざまなメリットがあります。ただ、逆にデメリットもあり、ここまででも触れている「通信制高校とは別で費用がかかる」というのが気をつけたいところ。
通信制高校とサポートを利用する場合、両方の学費が合わせてかかることになります。
サポート校の年間学費は、年間30~100万円ほどが目安。通信制高校の学費と合わせると年間50~120万円ほどかかるため、予算に合うかは家族でも相談してみて下さい。
サポート校が必要かで迷ったら?判断のポイント
さまざまなメリットがあるサポート校ですが、入学しようか迷うことは多いもの。通信制高校のみにするか、サポート校を併用するかは、下のポイントを判断の基準にすると良いです。
- 高校卒業・高卒資格を取れればいい → 通信制高校のみ
- 大学進学や学生生活には、あまり興味がない → 通信制高校のみ
- 高校の学費を、なるべく抑えたい → 通信制高校のみ
- 高校卒業したら、大学進学を考えている → 通信制高校+サポート校
- 勉強が苦手なので、教えて欲しい → 通信制高校+サポート校
- 高校生という時間を充実させたい → 通信制高校+サポート校
- 興味のあることを学びたい → 通信制高校+サポート校
ただ、どうしても迷うときは、気になっている通信制高校やサポート校へ相談しに行くのがおすすめ。実際にスタッフの話を聞いてキャンパスを見学することで、どうするかを判断しやすくなるはずです。
サポート校は、高校での勉強や学生生活を充実させるのに効果的!まずは資料やパンフレットの確認&相談を
サポート校は通信制高校の塾のような存在で、勉強や学生生活をサポートしてもらえます。もちろん費用はかかるものの学生生活がより充実するため、考えてみるのもおすすめです。
ただ、サポート校に入るかどうか、どのサポート校に入るかは、今後の高校生活に大きく影響するもの。まずは気になるサポート校のホームページや案内パンフレットを見て、気になる学校を探しましょう。そして絞り込んだところへ相談しに行くと、自分にピッタリな学校を見つけることができます。
通信制高校とサポート校を活用して、自分に合った学生生活を送ってほしいと思います。